崩れた食物連鎖を世界の嫌われ者オオカミが地球を救う

オオカミと言えば、家畜などを荒らることで有名で、世界の嫌われ者と言われている。しかし、そのオオカミが、地球を救う可能性を持っているというのだ。

日本にもかつて、日本オオカミというオオカミが生息していた。しかし、家畜などを襲うという理由から、駆除が推進された結果、日本オオカミは絶滅してしまったのだ。

その結果どうなったのか。オオカミを外敵としていた、シカやヤギが、大量に繁殖したのだ。食物連鎖を意図的に崩すと、こういったことが得てして起きる。

当然、食物連鎖が崩れるということはドコかで必ず歪が生まれるもので、草木を食べるシカやヤギが繁殖したせいで、地球環境の破壊が進んでいると言われている。

そして、なし崩し的に、他の生態系にも大きな影響を及ぼしているというのだ。それは人間も例外ではなく、シカやヤギの影響で、年間50億円の被害が出ていると言われている。

そんな現状で改めて注目を浴びたのがオオカミというわけだ。まず、オオカミというのは、狩りの領域が半端なく広い。オオカミの群れ1つで、1000平方キロメートルを狩場としているというのだ。

これは、縦10キロ、横100キロの範囲である。仮に熱海にオオカミがいるとすると、新宿まで狩りにやってくる距離。それだけ体力に優れていて、世界の生物で最も体力がある動物といわれているのだとか。

そして、1つの群れでそれだけの範囲で狩りを行うので、費用対効果も凄い。事実、北米でこれを行っているところがあるのだそう。

それが、イエローストーン国立公園。世界的に有名な公園で、広さが約9000平方キロメートルもある。その公園では、ヘラジカというシカが溢れ、自然に大きな影響を及ぼしたのだ。

そして、実験的に、ハイイロオオカミを14頭放してみた結果。なんと、たった数年でヘラジカが半分になってしまったというのだ。

その結果、荒れ果てていた草木が元に戻り、その他の生物も増え始めたのだそう。しかし、ここでふと疑問が浮かぶ。今度は、オオカミが増えすぎて困るのではないか、と。

それだけのヘラジカを食べるのだから、今度はオオカミが増えすぎて、生態系を壊すのではないか、ということ。これに関しては、問題はないそうだ。

というのも、元々大量にいたヘラジカが減ったことにより、今度はオオカミ自身の食糧が不足し、結果として、絶妙なバランスで生態系が保たれているというのだ。

自然の破壊が問題となっている日本。今後、もしかしたら、同じようなことが実験として実施されるかもしれない。

信じるか信じないかは、あなた次第。

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